「遠州」の花形⑨-F&P

いけばなは、人と、そして時代に育まれ今日に至っています。人の物の見方考え方、また時代の移り変わりの中で、いけばなのスタイルも立華から生花へ、そして盛花、投入花へと変遷してきましたが、水際は一つにまとめるという考えは、どのスタイルにも共通した規矩として守られてきました。 規矩といえば,真・行・留、その他役枝の寸法も予め定められ、その中で個性を発揮するにはかなりの習練を要することは、周知の事実です。

感性の時代と呼ばれている今日、時代が、あるいはわれわれが要求しているいけばなとは、どのようなものでしょうか。形や寸法に捉われる従来のいけばなから一度離れてみる必要はないでしょうか。
そのような目で野山を眺めてみますと、風に揺れる草花が互いに寄り添い、語り合うような光景を目にします。むしろ根元よりも上部の枝や花の語らいの声を感じます。その光景を自分なりにみつめて構成するとどうでしょうか。
F&P(エフアンドビー)と名付けた新しい花は、まさにこのような光景を、自分の感性・感情(Feeling)に訴え、詩的(Poetic)に表現する花なのです。

 

  • 感性・感情(Feeling)を詩的(Poetic)にいける。
  • 植物と植物の出合いをとらえる。そのためには、挿し口は2カ所以上あってもよい。
  • 形や寸法は特に定めない。