「遠州」の花形③-正風花

正風花とは生花の基本の花型と理解していただければよいと思います。

生花に於いては、天地人日月星辰乾坤と呼ばれる9本の役枝によって完成させますが、この9本の役枝の元になる枝は天地二枝からはじまります。ひと枝は天に向かって伸ぴて行く枝であり、もうひと枝は水際を引きしめるように下段に位置する枝の事です。この2本の枝の中間から張り出すように伸びる枝、流し枝又は持ち出しの枝と呼ばれるものが加わって3段の花形をつくります。これが人(行)の枝と呼ばれるものです。
遠州ではこの流し枝に面白味と植物の自然の伸びやかな姿を求めて非常に大切な枝として扱われます。このように3本の役枝を基本の考えとして構成するのが正風花です。

山・里・水

自然の植物をもって構成する遠州の生花は自然の景色を写すという考えがあり、天、地、人の役枝に上段の方から山のもの、里に生育するもの、そして下段に水辺の植物を配するように教えられています。

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