「遠州」の花形⑧-盛花・投入花

盛花

口の広い、背の低い水盤形式の花器にいける花のことで、花材を盛り込むようにいけることから盛花と呼ばれるようになったのです。花留には、ほとんど剣山を用い、さまざまな傾向の花をいけることができます。この幅広い機能性と初心者が勉強しやすいという点に、盛花の大きな特徴があります。

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盛花 傾斜体

傾斜体は、横に出る枝の振りをいかしていけるので、動きのある変化に富んだ花体となる。

 

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盛花 水平体

水平体は、流れるような枝の線を生かすので動的な花形といえるが、反面、左右に釣合いのとれた花形で、静的なムードも持っている。

投入花

口がせまく丈の高い、壷とか瓶とかいわれる花器にいける花のことです。盛花のような花留を用いることができませんので、投入花は添え木をしたり枝を折ったり割ったりいろいろな仕掛けをして花材を留めます。このように簡単な留め方で花をいけますので、おのずから自然の草木の枝ぶりを生かすことになり表現傾向はややせまくなるきらいがありますが、それだげ深い美感をあらわすことができるわけです。

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投入花 下垂体

下垂体は真が花器の口から垂れ下がる風流ともいえる花体。奔放になびいたり、たれさがったりする花材を生かすために、花形も花材の個性にしたがった姿をとることが多く、一定の形におさまらない場合ががある。花材の特徴を生かすよう心がけていける。

 

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投入花 傾斜体

投入花では傾斜体を基本と考える。それは投入花が斜めにいけるくだけたいけばなとして発生したことにもよるが、花器そのものが花材を傾斜させていけるのに適しているからでもある。